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無人機の種類と分類 大きさ・飛び方・任務・自律性で見る
手のひらに乗る小型機から、旅客機ほどの翼を持つ高高度の偵察機まで、「ドローン」と呼ばれるものの幅は広い。米軍・NATO の分類、機体の形、任務、自律性の段階と、日本の制度上の区分を整理する。
STRATTACT編集部
FEATURE / TYPES
「無人機」「ドローン」という言葉は、人が乗らずに動く機械を広く指す。空を飛ぶもの(UAV)が中心だが、軍事や海洋の分野では、水上を走る無人艇(USV)、水中を進む無人潜水機(UUV)、地上を走る無人車両(UGV)も合わせて「無人アセット」と呼ぶことが多い。ここでは空の無人機を中心に、いくつかの物差しで種類を整理する。
大きさと飛ぶ高さで分ける:米軍のグループ1〜5
米国防総省は、重さ・飛行高度・速度で無人機を5つのグループに分けている。
| グループ | 最大離陸重量 | 通常の飛行高度 | 速度 | 例 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 約9kg(20ポンド)以下 | 地上から約360m(1200フィート)以下 | 約185km/h(100ノット)未満 | 手で投げる小型偵察機、民生のマルチコプター |
| 2 | 約9〜25kg | 約1070m(3500フィート)未満 | 約460km/h(250ノット)未満 | スキャンイーグル |
| 3 | 約600kg(1320ポンド)未満 | 約5500m(1万8000フィート)未満 | 約460km/h 未満 | RQ-7 シャドウ |
| 4 | 約600kg 超 | 約5500m 未満 | 制限なし | MQ-1C グレイイーグル |
| 5 | 約600kg 超 | 約5500m 以上 | 制限なし | MQ-9 リーパー、RQ-4 グローバルホーク |
NATO は重さで3つのクラスに分け、150kg 未満をクラスI(マイクロ・ミニ・スモール)、150〜600kg をクラスII(戦術用)、600kg 超をクラスIII(中高度・高高度の長時間滞空機、攻撃用)としている。
形で分ける:回転翼・固定翼・その組み合わせ
- マルチコプター(回転翼):複数のプロペラで浮く。垂直に離着陸でき、空中で止まれるので、点検・空撮・近距離の偵察に向く。飛べる時間は数十分程度のものが多い。
- 固定翼機:飛行機と同じように翼で揚力を得る。速く、遠くまで、長く飛べるが、離着陸に滑走路やカタパルトが要る。
- 垂直離着陸型(VTOL)固定翼機:離着陸はプロペラで垂直に行い、巡航は翼で飛ぶ。物流や広域の測量で増えている。
- 無人ヘリコプター:大型の回転翼機。艦船からの運用や農薬散布などに使われる。
任務で分ける
- 偵察・監視(ISR):カメラや赤外線センサー、レーダーで情報を集める。無人機のもっとも基本的な任務。長時間飛ぶ MALE(中高度長時間滞空)・HALE(高高度長時間滞空)の機体がある。
- 攻撃:誘導爆弾やミサイルを積んで攻撃する無人戦闘航空機(UCAV)。
- 徘徊型弾薬・一方向攻撃型:機体そのものが弾頭となって目標に突入する。戻ってこない点でミサイルに近い。
- 電子戦・通信中継:電波の収集や妨害、通信の中継を行う。
- 標的機・おとり:訓練の標的や、相手の防空を引きつけるおとりとして使う。
- 輸送:前線への補給や、民生では物流・医薬品の配送。
自律性で分ける
無人機は「人が乗っていない」だけで、多くは人が遠隔で操縦している。自律性の段階は、おおまかに次のように説明されることが多い。
- 遠隔操縦:人が常に操縦する(FPV ドローンなど)。
- 自動飛行:決められた経路やルールに沿って機体が自分で飛ぶ。人は監督し、必要なら介入する。
- 自律:周りの状況を機体が判断し、経路や行動を決める。
兵器の議論で問題になるのは、飛び方の自律ではなく、「目標を選んで攻撃する」判断を機械に任せるかどうかだ。国際的には、自律型致死兵器システム(LAWS)として規制のあり方が議論されている(特集「LAWS をめぐる国際議論」)。
日本の制度上の区分
日本の航空法は、重さ100グラム以上の無人機を「無人航空機」とし、登録(2022年6月から義務)、リモートID の搭載、空港周辺や人口集中地区の上空などでの飛行の許可・承認を定めている。2022年12月からは、機体の認証と操縦者の技能証明(国家資格)の制度が始まり、条件を満たせば、人のいる地域の上空で目で見ずに飛ばす「レベル4飛行」もできるようになった。100グラム未満の機体は「模型航空機」として扱われるが、小型無人機等飛行禁止法により、国の重要施設や防衛関係施設などの周辺での飛行は、重さにかかわらず原則として禁止されている。
STRATTACTの見方
分類は、目的によって物差しが違う。軍の分類は空域の調整や部隊の編成のため、民生の制度は安全と責任のために作られている。ニュースで「ドローン」と出てきたときは、その機体がどの大きさで、どう飛び、何の任務で、どこまで自律的なのかを分けて読むと、出来事の意味がつかみやすい。
参考: U.S. Army「Unmanned Aircraft Systems Roadmap 2010–2035」(グループ分類)、国土交通省「無人航空機(ドローン・ラジコン機等)の飛行ルール」、ICAO「Remotely Piloted Aircraft Systems(RPAS)」
STRATTACT編集部が公開資料をもとにまとめました(2026年10月17日更新)。AIを記事の執筆の補助で使用しています。
この記事の用語
- 無人アセット防衛能力
- 防衛力整備計画が重点を置く7分野の一つ。
- UUV(無人潜水機)
- 人が乗らずに水中を進む機器。
- UAV(無人航空機)
- 人が乗らずに飛ぶ航空機の総称。
- USV(無人水上艇)
- 人が乗らずに水上を走る船。
- UGV(無人地上車両)
- 人が乗らずに地上を走る車両。
- NATO のクラスI〜III
- NATO が使う無人機の分類。
- MALE(中高度長時間滞空)
- 高度おおむね3000〜9000メートルを、20時間以上など長時間飛び続けられる無人機の種類。
- HALE(高高度長時間滞空)
- 高度約1万5000メートル以上を長時間飛ぶ無人機。
- UCAV(無人戦闘航空機)
- 武器を積み、攻撃の任務を行う無人機。
- 統合防空ミサイル防衛(IAMD)
- 航空機・巡航ミサイル・弾道ミサイル・無人機などの空からの脅威に、センサーと迎撃手段を一体として対処する考え方。
- 自律性のレベル
- 機械が人の操作なしにどこまで判断・行動するかの段階。
- FPV ドローン
- 機体のカメラ映像をゴーグルなどで見ながら操縦する小型ドローン。
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